Bellamy, Edward. Looking Backward: 2000-1887. 1887. New York: Penguin, 1986.
不眠症のため、結婚前夜(というわけではないが結婚直前)にメスメリズム を施術された男(Julian West)が113年と3ヶ月、11日の間眠りにつき、2000年に目覚める。そこは社会主義のユートピアであった。Julianは婚約者(Edith Barlett)の曾孫であるEdith Leeteと恋に落ち、愛を確かめあったところで再び眠りにつく。目が覚めるとそこはまた1887年で、Westは絶望する。また眠りにつくと2000年に戻っており、一安心して物語は終わる。
社会主義ユートピアの描写自体がメインであって(特にこれはJulianとDr. Leeteのダイアログでほとんど書かれている)、小説らしい小説ではないのだけれど、(アンチ)恋愛プロットはけっこう面白い。だいたいストライキで結婚の新居ができないとか、メスメリズムで眠ってしまうとか、そんなあたりから結婚したくなかったんじゃないの、という感じが出ているわけで。Edith Leeteは曾祖母のロケットと手紙の中のJulianに恋をする(という時代錯誤愛)。失われたものとしてしかEdithを愛することができないJulian、そして自分を愛する存在としてではなく、曾祖母を愛する存在としてのJulianしか愛することのできないEdith Leete。奇妙な恋愛関係である(She seemed more anxious to have me speak of Eidht Barlett than of herself, of how I had loved her than how I loved herself, rewarding my fond waords concerning another woman with tears and tender smiles and pressures of the hand. "You must not love me too much for myself," she said. "I shall be very jealous for her. I shall not let you forget her."--213 )。目覚めた時に「未来を失った」という奇妙な時間感覚をもつ、というのも面白い。
Ghosts of the Future
